ローンの借り手が自己破産という事態になったら家と車は?

まだローンが残っているマイホームや車などがあるときに、借り手が自己破産という事態になれば、それらのローンは解約され、返済のためにマイホームもマイカーも売却しなければなりません。

一方、任意整理や個人再生では、基本的にそうしたローン契約はなくなりませんし、支払いはこれまで通りしていかなければいけません。

また、これらを売却して返済に充てる必要もなく、強制されることもありません。

一口に債務整理といっても3通りあり、個人再生や任意整理のように自宅や車を手放さなくても良いもの、それと、借金が帳消しになる自己破産となります。

3つの中で個人再生と任意整理は、自己破産と違い、依頼主に定収入がなければいけません。

個人再生における再生計画や任意整理の和解交渉は、借金の帳消しではなく「減額」を求めるものであり、どちらも返済しなければならない借金は残っています。

払い続けていくためにも安定収入は欠かせないものなのです。

債務の額を減らすことが目的の任意整理や個人再生というのは、債務が免責となる自己破産とは異なり、減額後も残った借金を返済する必要があります。

ただ、返さなければ、和解や再生計画でホッとしたのもつかの間、延滞期間に相当する遅延利息を含め、一切の債務を一括返済するよう求められるはずです。

再生契約や和解の取り決めは守ってこそ価値があるのですから、ムダにしないようにしましょう。

掛け捨てなら関係ないのですが、返戻金がある生命保険だと、債務整理に伴って解約が必要なこともあります。

まず自己破産を行うのであれば、保険は解約となり、返戻金を返済の一部に充当します。

一方、個人再生の際は、自己破産のように解約を迫られることはないのですが、解約返戻金自体は資産に繰り込まれますので、その額次第で返済額が増えるという事態も想定されます。

これが任意整理となると、解約を求められることもなく、返戻金の有無が返済額に反映されることもないです。

給料が差押えされている時に債務整理をして、対象に差押え元の債権者が含まれていると、差押えは手続きを始めた時点で解除されるだろうと思ってしまいますが、対象外の場合もあります。

裁判所を通さない任意整理を行った場合は差押を解除しなければいけないという規定はないため、給料は差し押さえられたままになります。

早いうちに和解が成立するよう司法書士や弁護士に働きかけてもらって、強制執行を止めてもらわないと身動きがとれなくなってしまいます。

けして弁護士の独壇場ではなく、司法書士でも債務整理は可能です。

とはいうものの、原則140万円以下の債務に限るという制限があるため、もし交渉を始めようという時に金額の総計が遅延損害金を入れて140万円を超えていたら、仮に139万円のときに依頼を受けていても、司法書士は手続きに携わることはできません。

計算さえしていればこのようなことは防げますから、手続きを司法書士に委任するときはその時点で債務額をしっかり計算しておくべきです。

任意整理の場合、減額後も返済すべき債務は残ります。

弁護士費用をかけて債務整理したけれど、減額幅が思いのほか少ないということも少なくないようです。

したがって本当に任意整理が妥当なのかはじっくり検討する必要があるでしょう。

無料で債務相談ができる弁護士や司法書士の事務所もありますから、プロの意見を聞きながら対策を立てるというのも手です。

認知度は高くないようですが、債務整理のひとつとして特定調停というものがあります。

どのようなものかというと、借入先に対し過払い金が生じている時に選択できる手法です。

過払い金の返金が気になるでしょうが、特定調停以降にあとから別途、請求します。

一度に出来ないのがもどかしいですが、借入が残っているうちは過払い金を請求できず、返済終了後に行えるようになります。

延滞する位ですから弁護士への着手金を用意するのも大変でしょう。

しかし、それでも弁護士次第ですが債務整理を引き受けてくれるところはあります。

つまり、手付金という名目のお金を出来る限り支払うようにするのです。

足りないところについては、受任通知送付後のローンの返済が一時的にない期間を利用して毎月積立をして、結果が出てから成功報酬と合わせて相殺するのが無理のない方法です。

債務整理の相談で法務事務所などを訪れた際には、こうした積立方式を提案されるようです。

個人信用情報(いわゆるブラックリスト)には過去の債務整理の情報がデータとして残されることになります。

情報は一般企業には開示されないため、普通は就職に影響はないのですが、稀に例外もあります。

つまり、銀行、信販会社、貸金業者などに就労を希望する際です。

過去に債務整理を行っていたのがわかると、就職先は細かい事情はわかりませんから、不採用につながる可能性が高いです。

どう対処するかは会社によって違うでしょうから、採用されなかったら諦めるほかありません。